スポンサーリンク


上記の広告は一定期間更新のないブログに表示されます。新しい記事を書く事で広告が消す事ができます。

  

Posted by みやchan運営事務局 at 

2012年05月23日

『八つ墓村』のことなど

こんにちは。昨日、更新したつもりが見事に消えており、がっかりのShUです。時間を返してもらえないか(苦笑)?

さてShUの廻りで今年の映画祭で話題作は『八つ墓村』! 
http://www.youtube.com/watch?v=gwqn_MgDgVA


そうでしょう、そうでしょう! ということで『八つ墓村』の薀蓄などをご紹介してみましょう。

横溝正史作品の中でも『八つ墓村』は抜群の人気を誇っています。テレビまで入れると9回映像化されているようですが、映画化作品は三本。1951年の東映作品、1977年の本作、1996年の東宝・フジテレビ・角川作品とこうなります。96年版は豊川悦司が金田一耕助を演じたので覚えている人も多いかも。

しかしスキャンダラスなまでの大ヒットはこの名匠野村芳太郎監督×渥美清=金田一の本作でしょう。ある年配上の方は「たたりじゃぁ」の流行語を覚えているはずです。

さて本作の脚本家は橋本忍先生です。黒澤明の数々の名作、70年代日本映画の大ヒット作品のほとんどに絡むいう大巨匠です。先々月の『映画秘宝』誌ではこの『八つ墓村』についてのエピソードが紹介されていました。

それによると大先生はこのミステリーをどういう切り口で映画にするか悶々と悩んでいたということです。そんな時、お盆の帰省ラッシュを見た大先生はハタと膝を叩いてこう言う、
「『八つ墓村』を墓参り映画として映画化すればよいのだっっ!」


何か大きな間違いを仕出かしているような気がしますが、そんなこんなでこの映画は渥美=金田一の移動が懇切丁寧に描かれている。また主人公の職業は飛行機の整備士で、飛行機の離陸を遠い眼で見つめたりと脚本意図に沿った映画つくりが行われている…、とまぁ「映画秘宝」はそう指摘します。

ご興味があればぜひ、「秘宝」をお読み下さい。爆笑ものの一文です。

とまぁそんな70年代日本映画の超大作を代表する作品ですが、実のところ映画としてのバランスは大層悪い。いや悪すぎる。よく映画好きが「出来がいい」とか「出来が悪い」とか言いますが、その二分法でいくとこの映画の出来は悪い。

しかしそんな二分法を遥かに凌駕して、この『八つ墓村』は見た人全ての何かに訴えるものを持っています。これも映画なのだ、本作は雄弁にそのことを物語っています。

横溝ブームの真っ只中の作品なので、家族連れで見た人も多いようです。今となっては良い思い出でしょうが、昨今の年齢制限の問題を考えるだに、感慨深いものがありますね。

そんな異形の傑作『八つ墓村』は

7月7日(土)仏滅の18時から
7月13日の金曜日19時40分


の二回上映。お見逃しなく!  


Posted by mffスタッフ at 20:09 | Comments(0)